甲虫装機の紹介

 

甲虫装機の紹介をします。全盛期に暴れまわった結果規制という様式美を遥か昔に極めたこのテーマ。ホーネットは緩和されたもののダンセルが制限なこともあり、今やCS会場に使用者が1人もいないことがほぼ当たり前です。しかし熱狂的(?)なファンもちらほらいるようです。解説というよりは紹介の意味合いがかなり強く、使っている人にとっては既知の内容しかないです。完全に自己満足な記事ですが気になる方は是非お読みください。

(今後の規制緩和やリリースされるカードによってある程度状況は変わってくるとは思います。またウィーグやリュシオル、ギガグリオルのような採用されている構築をあまり見ないカードについては申し訳ないのですが省略させていただきます。)

 

※1. 重大なルールミスの記述があったため削除、修正しました。

 

1. 甲虫装機というデッキについて

 

今日の甲虫装機は所謂ソリティア系デッキです。ホーネットでの確実な破壊やグルフによるエクシーズ召喚の成立でテンポを掌握といった戦法を取ることもできなくはないです。しかし、依然としてダンセルが制限であるため一度ダンセルグルフのみの状態でエクシーズ召喚を行った際の後続確保難や、竜星シャドール彼岸といったホーネットでの破壊がディスアドバンテージにならないテーマ群の出現によりその戦い方で勝つことは日に日に難しくなっています。更に、安定性を有しながら盤面を形成、解決できる所謂「環境デッキ」のインフレも確実に進んでいます。一昔前よりも安定している上に形成する盤面はより強固、しかもリソースは余裕で残っているなんてのは当たり前です。このような環境デッキと言われる相手に対抗するにはソリティアを決めて圧倒してしまうのが一番です。いかに安定してアドを稼がれようが先攻展開で行動をさせず、後攻では防御をすべて取り払ってライフを0にしてしまえば勝利できます。

デザインされたのが3年以上前ということもありダンセルセンチピードのリソース確保効果にターン1の縛りはありません。時代を感じさせます。しかし、装備する方の効果はターン1という縛りがしっかり付いています。この絶妙な縛りを潜り抜けて同一ターンに何度もダンセルセンチピードの効果を使用して、先攻ならば制圧能力のあるエクシーズモンスター、後攻ならば盤面解決能力や高打点を有するエクシーズモンスターを並べる盤面を目指すのが甲虫装機です。

 

2. メインに搭載される甲虫装機モンスターについて

下級モンスターは皆共通して、手札または墓地の"甲虫装機モンスター"を装備する起動効果を持っています。この時、モンスターとして扱っている側を上の虫、装備魔法カードとして扱っている側を下の虫と言うことがあります。

上級モンスターは手札で発動する効果を持ち、効果解決時に場の甲虫装機モンスターに装備することができます。前述の言葉を使うと、下の虫として使うことが主となるカードです。

 

3. 上の虫と下の虫の関係について

全ての下級甲虫装機は上の虫となることができ、上級下級問わず全ての甲虫装機が下の虫となることが可能です。しかし、闇雲に装備すればいいという訳ではなく上の虫として運用することが好ましいモンスターが存在し、下の虫に関してもこれは同様に存在します。

上の虫として運用されることが好ましいモンスターは装備されているカードが墓地へ送られることによりアドを生み出すモンスターです。これにはダンセルとセンチピードが当てはまります。装備カードを墓地へ送るという行為を自ら行う場合にはサイクロンのようなカードを余分に使用しなければなりませんが、装備カード自身が自発的に墓地へ送ることが可能であれば余分なカードの用意は必要なくなります。

したがって下の虫として装備された場合に自発的に外すことのできるグルフ、ホーネット、ホッパーが下の虫として運用されることが好ましいカードとなります。

 

4. 下の虫

 甲虫装機ホーネット

下の虫として装備した場合、墓地へ送ることで場のカードを1枚破壊します。このカード1枚を手札または墓地に用意してしまえば、場に送り込む下級甲虫装機全てが場のカードを1枚破壊する起動効果を持つのとほぼ同等の扱いになります。装備中は500/200アップ、レベルが3上昇とステータスへの影響を及ぼします。

 

甲虫装機グルフ

下の虫として装備した場合、墓地へ送り自分の場のモンスター1体のレベルを1or2上昇させます。レベル上昇のみでは一切アドバンテージを生みませんが前述のホーネットが必ず何かの破壊対象がなければ発動できないのに対し、こちらは自分の場にレベルを持つモンスターさえ存在すれば使用できるため、後述する上の虫が生むアドバンテージを相手に依存せずに獲得できます。ホーネット同様に、装備中はステータスの変動が500/100アップ、レベルが2上昇という形で現れます。

 

甲虫装機ホッパー

装備状態で墓地へ送ることで、装備対象となっていたモンスター1体しか攻撃できなくなる代わりにそのモンスターが直接攻撃できるようになります。グルフと同様に相手に依存せずに外すことが可能であり、相手の場に攻撃力∞の蛇神ゲーがいようともそれを無視してライフを削りに行くことができます。しかし、先攻1ターン目には発動が不可能な点や効果の仕様上同一ターンに複数回使用できない点などのデメリットが非常に大きく、下の虫として運用する機会はホーネット、グルフに比べると多くはありません。ホーネットグルフとは異なり、装備中のステータス変動はレベルの4上昇のみとなっています。

 

5. 上の虫

 甲虫装機ダンセル

現在制限に指定されているカードであり上の虫として運用する場合最大のパワーを発揮します。ダンセルに装備しているカードが墓地へ行った場合、デッキからダンセル以外の甲虫装機を特殊召喚します。墓地へ送ったのがホーネットであれば相手の場のカードを1枚破壊しながら呼び出してきたモンスターでもう1枚破壊、グルフならば呼び出してきたモンスターを再びグルフでレベル調整することでエクシーズ召喚といったようなことが可能です。

 

甲虫装機センチピード

装備しているカードが墓地へ送られた場合、デッキから甲虫装機カードを手札へと加えます。ダンセルから呼び出したモンスターがこれであればグルフ、ホーネットを再び装備して後続のセンチピードを確保。また、罠等で次ターンも守りきる自信があるのであればグルフかホーネットの足りない方を確保。といったような使い方をします。ダンセルとは異なる方面でのパワーを発揮する機転の利くカードです。

 

 甲虫装機ホッパー

4.下の虫 の項で挙げたモンスターですが、上の虫として運用することも比較的多いカードです。ダンセルセンチと異なり装備カードが外れた際の効果は何もありません。しかし、下級甲虫装機の中では最も優れた攻守を誇ることからアタッカーとして運用するケースがあります。更にはレベル4である点から特殊召喚する際の対象に選択するケースが多く、エクシーズ召喚へと繋いでソリティアを達成します。

 

甲虫装機は、これらの上下の虫を組み合わせて戦うことが最も基本となります。

例1. ダンセルホーネット

ダンセル効果でホーネットを装備、装備状態のホーネットを墓地へ送ってカードを1枚破壊。

ホーネットが外れたことによりダンセルの効果が起動。センチピードをデッキから特殊召喚し、ホーネットを装備→外して1枚破壊。センチピード効果でデッキから新たなセンチピードを手札へ 

手札2枚からスタートして場のカードを2枚破壊しつつ、こちらの場にはモンスターが2体、更には後続のセンチピードを確保している状態になります。また、装備するホーネットは墓地に存在していても良いため場合によっては手札1枚(ダンセルのみ)からこの動きが実現することになります。

 

例2. ダンセルグルフ

例1として紹介した内容でホーネットの部分をグルフとしたものです。相手の場に干渉することはできませんが、ダンセルとセンチピードのレベルを4or5に揃えてしまえばそのままエクシーズ召喚を行うことができます。

 

6. 上級モンスター(ギガ系)

 主に使用される上級甲虫装機はギガマンティスとギガウィービルです。両者を装備すると攻撃力、ないしは守備力が2000を上回る数値となり、戦闘面における優位性が得られます。両者は前述してきた下の虫とは異なり自発的に墓地へ送ることができないためサイクロンなどを用意する必要がありますが、そのような余分なカードを用意するに相応しいスペックを誇っています。

 

甲虫装機ギガマンティス

このカードを装備した甲虫装機モンスターは元々の攻撃力が2400となります。環境を意識してみるとこの数値はダークロウと相打ちできるものであり、装備したモンスターがセンチピードであろうとグルフであろうとリュシオルであろうとそれが達成できます。また、場に存在する上の虫自身の起動効果でグルフを装備した後に、手札のギガマンティスを装備すれば攻撃力2900のモンスターが生まれ、イグニスターPや最上級帝を一方的に戦闘破壊できるステータスとなります。

下の虫状態のこのカードが墓地へ送られた場合、墓地からギガマンティス以外の甲虫装機を蘇生することができます。試合序盤に激流葬などの妨害によってダンセルが墓地へ送られてしまったとしても、別に用意した上の虫にギガマンティスを装備してサイクロンで破壊すればダンセルが蘇生、再利用することができます。更に、別に用意したその虫がセンチピードであれば甲虫装機カードをサーチすることができます。

 

甲虫装機ギガウィービル

こちらの場合は元々の守備力が2600となります。彼岸がメインギミックで用意できる打点が2500であることから、守備力2600というのは完全に無視できる打点という訳ではなく、ある程度は信頼できる数値です。

下の虫状態のギガウィービルを墓地へ送ると墓地から甲虫装機モンスターを一体特殊召喚することができます。ギガマンティスとほぼ同様の効果を持ちますが、最大の違いは自分自身を蘇生できるという点です。蘇生対象を自身とすれば守備力2600の壁モンスターが現れます。しかもビッグシールドガードナーと異なり殴られても低攻撃力を晒すことはありません。また、レベルが6ということもありランク6エクシーズモンスターの素材とすることができます。

 

上の虫に複数のカードが装備されている場合について*1

少し難しい話をします。ダンセルがホーネットとグルフを装備している状態で、ホーネット効果でグルフを破壊したとします。この場合、装備状態であったカード2枚が墓地へ送られたのでダンセルの効果が発動しますが、回数は1回ではなく2回発動し、チェーン1:ダンセルの誘発効果、チェーン2:ダンセルの誘発効果というようにチェーンブロックを組む形となります。この理由はホーネットが外れたタイミングがコストを払ったとき、グルフが外れたタイミングがホーネットの効果処理時とずれているためです。

同一チェーンブロック中で複数の装備が外れ、そのタイミングがずれている場合、そのタイミングの回数に応じて上の虫の誘発効果が発動してチェーンブロックを組みます。しかし、同時に墓地へ送られた場合は外れたタイミングはその1回分のみであるため上の虫の効果は1回しか発動しません。

 

例3. ダンセルホーネットグルフグルフホッパー

ダンセルに4体の下の虫が装備されています。この状況でチェーン1:ホーネット(対象ホッパー)、チェーン2:ツインツイスター(対象グルフ×2)とチェーンが組まれ一連の処理が行われます。チェーンブロックを解決した後、ダンセルの誘発効果が発動しますが、この場合の外れたタイミングは

  • ホーネットのコストを払った時
  • ツインツイスターの処理で破壊された時
  • ホーネットの処理で破壊された時

の3種類存在します。したがって、この場合におけるダンセルの効果発動回数最大値は4ではなく、3となります。

 

これを踏まえてギガ系を用いた例を紹介します。

例4. ダンセルホーネットウィービル

ダンセルにホーネットとウィービルを装備。ホーネットでダンセルに装備中のウィービルを破壊。この処理後に装備カード2枚が墓地へ送られたことでダンセルの効果が発動するのですが、この2枚は別々のタイミングで墓地へ送られたことになります(ホーネット:コスト支払い時、ウィービル:効果処理時)。

前述のようにウィービルもまた甲虫装機を蘇生する効果が発動し、任意にチェーンブロックを組む形となります。このチェーンブロック処理を終えると、フィールドには

ダンセル、ダンセル効果で特殊召喚したモンスター2体、ウィービルで蘇生したモンスター1体

と4体のモンスターが並ぶことになります。

 

7. ソリティアを担うカード群(メインデッキ)

甲虫装機には3, 4枚のカードからスタートし強固な盤面形成やワンキルに向かうソリティアのパターンがいくつか存在します。本項ではそのソリティアを担うカード群について書いていきます。

 

甲虫装機の魔剣 ゼクトキャリバー

装備すると800の打点上昇が得られ、墓地へ送られると甲虫装機モンスターを回収する効果が発動する、リソースの回復と過剰消費の抑制に繋がるカードです。ギガ系統と異なり蘇生ではなくサルベージですがソリティア達成における運用方法はほぼ同様で、上の虫が持つ1ターンに1度の装備制限を掻い潜りつつ装備→墓地送りの回数を稼ぐために必要なカードです。また、ギガ系統との相性は非常によく同時に装備することで攻撃力3200または守備力3400、場合によってはこれを両立するモンスターを生み出すことが可能です。

 

サイクロン 

古参の方も新規の方もほぼ全ての方が知っているカードです。相手の魔法罠スケールを破壊するというのが基本的な使い方ですが、甲虫装機においては装備状態の下の虫を破壊することでソリティアへと繋ぐことが可能な応用力の高いカードです。例えば、センチピードは2枚あるけどグルフもホーネットもない なんて時にはセンチにセンチを装備してからサイクロンで破壊することでセンチのサーチ効果が発動します。また、エフェクトヴェーラーのケアに使用することもあり、バトルフェイズ中や相手ターン中に下の虫を破壊して上の虫の効果を起動といった具合です。

 

死者蘇生

これもサイクロン同様にかなりメジャーなカードです。ソリティアパターンとして使用するケースもあれば幽鬼うさぎや各種罠などによって墓地へ送られた上の虫を文字通り蘇生して使用するケースもあります。

 

ソウルチャージ

バトルフェイズ不可、1体につき1000という非常に大きなデメリットを持つ1枚です。先攻展開以外に後攻ワンキルを行うことも可能な甲虫装機において絶対的な信頼はできませんが、ペンデュラムというシステムからも分かるように同時に複数のモンスターを並べることのできるこのカードは凄まじいパワーを誇ります。先攻展開にこれを用いたパターンが確立されているため試合最序盤から使用できますし、ライフさえ残っていれば試合中盤でも使用できます。ライフコストの重さとバトルフェイズ不可というデメリットをしっかりと考慮して発動すれば最強の1枚であるでしょう。

 

孵化、ランスター

基本的にはグルフをコストに発動することでダンセルないしはセンチを特殊召喚し、そのまま効果起動まで行くために使用します。場合によってはホーネットをコストにホッパーを呼び出すこともあります。また後述のカブトロンを同時に採用していた場合、ソリティアのゴールがより強固なものになるケースがあります。

ランスターンと孵化はほぼ同様の効果を有しており、相違点としてコストが「リリース」か「墓地へ送る」かという点があります。本質的な違いは皆無と見なせるのですが、孵化はフィールドでのレベルを参照する一方でトランスターンは墓地でのレベルを参照するという違いがあります。後々にどちらのコストになるのかを考量した上で、グルフでのレベル上昇対象および上昇値に注意が必要です。また、トランスターンは1ターンに1度しか発動できないというデメリットがあり孵化以上に手札でのダブ付きが致命的となります。構築の際はこの点を意識しましょう。

 

カブトロン

甲虫装機と非常に相性の良い1枚でありダンセンに装備されている下の虫を破壊対象とすれば上の虫の効果が起動しますし破壊するのがギガ系統であれば、ギガ系統の蘇生効果まで発動することができます。使用する際は孵化から呼び出すケースが主であり素引きしてしまうと途端にプランが崩壊してしまいます。採用する際はそのようなリスクと得られる爆発力を天秤にかける形になります。

 

おろかな埋葬

上の虫の効果で下の虫を装備する場合、墓地からも装備することができるためこのカードは事実上の下の虫として扱えます。状況に応じてホーネット、グルフを選択していきます。また、死者蘇生やギガ系統+サイクロンのようなカードが他にあるのならば上の虫を落としてから蘇生といったような使い方もできます。

 

8. ソリティアを担うカード群(エクストラデッキ)

環境を想定してエクストラデッキの取捨選択を行う場合、ソリティアのゴールとして送り出すモンスターの最適解は変化します。その変化する部分は所謂自由枠です。甲虫装機における確定枠のエクシーズモンスターというのはその全てが展開の途中もしくはゴールに絡むカードです。先攻展開に必要なカードが揃った!後攻ワンキルができる手札だ!といったような状況の時にエクストラデッキに採用していなかったせいでできなかった…という事はソリティア系デッキを使う以上、絶対にあってはならないことだと思います。下記にあげるカードは現在、個人的に必須だと考えているカードたちです。
 
No.17 リバイス・ドラゴン
甲虫装機モンスターはほとんどがレベル3ですがランク3のモンスターを送り出すことはあまりありません。この事とエクストラデッキ15枚という制限を考えるとランク3モンスターの採用は必要最小限に抑える必要が出てきます。これを踏まえた上で必須枠として採用するのがリバイスドラゴンです。このカードは自由にエクシーズ素材を切ることができる点が高い柔軟性を誇り、甲虫装機モンスターがエクシーズ素材として埋まっているせいでプレイに弊害が生じるという点を回避できます。自由に素材を切れるランク3としては彼岸の旅人ダンテが存在し、どちらも効果を発動することで2500の打点が得られます。これに関しては、リバイスドラゴンは最大の天敵であるダーク・ロウが存在しても打点上昇を達成してからの戦闘破壊ができるという点での優位性がかなりあります。またダンテの場合では墓地肥やしを戦術に組み込める一方で落ちてはいけないもの(ダンセルセンチで持ってくる予定のカード、罠、意識された途端に弱くなるメタカード.etc)が落ちてしまうケースもあり、それも考慮した結果リバイスドラゴンに軍配が上がりました。
 

ラヴァルバル・チェイン

使用するのは墓地へ落とす方の効果がほとんどであり死者蘇生、ソウルチャージ、カブトロン、ギガ系といった蘇生効果を有するカードが絡んだソリティアで使用します。闇の誘惑や成金ゴブリンがハンドにあったり次のターンを問題なく迎えて効果を通すことに自信があったり、それしか勝ち筋が見つからなかったりする場合にはデッキトップ操作でダンセル等を乗せることもあります。

 

牙狼 ダイヤウルフ

一般的なダイヤウルフの運用方法とは異なり、下の虫を意図的に破壊するのが目的で使用することがほとんどです。特にギガ系統との相性は抜群で甲虫装機を素材にしたダイヤウルフであればダイヤウルフ自身とギガ系を破壊後に素材として埋め込まれていた甲虫装機を蘇生することができます。

 

No.16 色の支配者ショック・ルーラー

説明不要の最強カードです。既に確立されている展開パターンから多少外れた状況にあってもこのカードに向かえる状況であれば向かうケースは少なくはないです。先攻展開はもちろん、後攻でワンキルに届かない際、相手の反撃をケアするために出すケースもあります。

 

外神ナイアルラ、外神アザトート

永続効果で相手のみモンスター効果を封じるアザトートはワンキルに向かう際には最強のカードです。ワンキルの手筈が整っている状態で出してしまえば増殖するGでいくら引かれようと関係ありません。ショックルーラーと比較するとエクシーズ素材の数が一つ少ないことから消費する甲虫装機の枚数が抑えられる点も非常に高評価です。ナイアルラの起動効果として素材全てと墓地のモンスターを入れ替える効果があります。墓地利用を頻繁に行う甲虫装機との親和性が非常に高い効果ですが、ここで幽鬼うさぎを貰ってしまうと全ての苦労が無になってしまうので、しっかりと状況を見極めましょう。

 

シャーク・フォートレス

場のモンスター1体が2回攻撃可能となるモンスターであり、自身を指定するだけでも2400×2となります。ギガマンティスやゼクトキャリバーで強化してホッパーを適用させた虫で二回攻撃を決めれば相手のライフを大幅に削ることが可能となります。

また、忘れられがちな効果としてシャークフォートレス以外を戦闘の対象にできなくなるという効果があります。甲虫装機モンスターのステータスは非常に貧弱で素の状態では容易に戦闘破壊されてしまいます。しかし、横にシャークフォートレスがいれば甲虫装機を戦闘のみで処理する場合には攻撃力2400以上のモンスター+甲虫装機のステータスを上回るモンスターが必要となり、シャークフォートレスが守備表示ならばヒグルミやハンド系の自爆特攻も許しません。

 

甲虫装機 エクサスタッグ

相手の場か墓地のモンスターを装備してしまうサクリファイスのような効果を持ちます。破壊できない、または破壊した時に厄介な効果が発動してしまうモンスターを解決するために使用します。また、セットモンスターや墓地のモンスターも対象に取れるため得体の知れないモンスターを退かしつつ情報を得たり、墓地アドバンテージを失わさせたりといった運用方法もあります。元々の打点は800/800、装備してもそのモンスターの半分しか上昇しない、とアタッカーとしての運用には若干不安が残ります。ギガマンティスやゼクトキャリバーで強化を施すか後述のガイアドラグーンを使用しましょう。

 

甲虫装機 エクサビートル

エクサスタッグと似たような効果ですが、相違点として

  • エクシーズ召喚成功時に発動する。
  • 墓地のモンスターしか装備できない。
  • 自分の墓地からも装備できる。

が挙げられます。素材を外して使用する効果はお互いの場の表側のカードを一枚ずつ墓地へ送る効果であり、エクサスタッグ同様に破壊以外の方法で対処したいモンスターを処理できます。エクサビートルは

  • ギガマンティスを装備すれば打点が3600となる点
  • 自身の効果で相手の場の見えている壁を退かせる点
  • ホーネットを装備すればホーネットの効果が使用できる点
  • ホッパーを装備すればホッパーの効果で直接攻撃ができる点
などから高い盤面解決能力と高いライフ奪取能力を有するモンスターであることが分かります。甲虫装機においてランク6のモンスターを送り出すことは意識しなければできないことですが、意識してエクサビートルを送り出してやれば速やかにライフを取りに行き勝利することができると考えています。
 
セイクリッド・トレミスM7
展開パターンで使用することが多い一枚であります。甲虫装機で特殊召喚する場合は☆6×2で出すことがほとんどな為出したターンに効果を使用できます。相手の壁モンスター除去、墓地リソース削りといったエクサスタッグと同様の運用方法がありますが、特筆すべき点は自分のカードも戻せる点です。特に墓地回収の効果が強力で上の虫やギガ系を戻しての再展開を目論んだり、手札誘発を戻し続けることで複数ターンに渡る妨害を実現できます。
 
迅雷の騎士ガイアドラグーン
グルフの効果をうまく使ってやれば素出しできますが、基本的にはランク5, 6のモンスターに重ねて出します。重ねるモンスターはエクサ2種類が基本となります。どちらも元々のステータスが低く攻撃力2600越えを目指すとなると、エクサビートルでは3200、エクサスタッグでは3600を上回るモンスターを装備しなければなりません。ギガマンティスによる超強化もできますが装備できない状態でもエクサ系を繰り出す場面は存在します。このような打点が不足する場面に遭遇した場合は手軽に2600の打点を用意できるこのカードを重ねることになります。貫通能力を有す為、セットモンスターによるライフカットも許しません。
 

9. 展開パターンの紹介

個人的に押さえておきたい展開パターンの初手と結果を紹介しておきます。スタートする状態が同一でも築き上げに行く布陣が異なる場合が存在するということをあらかじめ明記しておきます。何も展開パターンは一つではないのです。

ダンセル+グルフ+サイクロン

先攻時:トレミス+ショック+センチ

後攻時:エクサビートル(ギガマン装備で3600)+シャクフォ

ダンセル+グルフ+孵化

先攻時:トレミス+ショック+ダンセル(キャリバー装備)

後攻時:アザトート+エクサビートル(マンティス、キャリバー装備で4400)+センチ

ダンセル+グルフ+死者蘇生

先攻時:チェイン+ショック+ダンセル

後攻時:チェイン+アザトート+ダンセル(ギガマン、キャリバー装備)+センチ

ダンセル+ホーネット+ギガマンティス(ギガウィービル)

先攻時:ショック+ダンセル+センチ

後攻時:リバイス+アザトート+シャクフォ+ダンセル

ダンセル+グルフ+ソウル・チャージ

ショック+ランク4or5のモンスター+ダンセル+センチ

 

これらのパターンを覚えてしまえば、デュエル中に似たようなハンドを握った時に展開を思いつけるような気がします。まずは一人回しで既存パターンを覚えた後は、応用してみるのが一番です。

ポイントとしては

  • サイクロンやカブトロンで破壊するのはダンセルに装備したギガ系のモンスターが好ましい。
  • グルフではレベルを2までしか上げられないが、センチを装備すれば一気にレベルが3上がる。
  • ギガ系の蘇生効果は1ターンに1度。墓地にダンセルセンチがいなかったスルーする必要も有。
  • ギガ系の装備する効果の方は1ターンに1度の縛りがないのでゼクトキャリバーでは回収して再装備できる。

といった点でしょうか。

 

10. 終わりに

こんな感じで甲虫装機の紹介を終わります。いかがでしたか?

もしこれを見て甲虫装機使いたいと思ってくれる人が一人でもいてくれたら幸いです。

最後の最後に持ってきた展開パターン。結果しか書いてねえじゃねえか(半ギレ)ってなるかもだけど、書くのがものすごくめんどくさかったです。この時点で文字数が10508文字です。要望があれば書くかもしれないです。

今度は勝って結果残した上で構築載せたり語ったりしたいですね。

*1:重大なルール違反を犯していたため修正